えぴこ

哀れなるものたちのえぴこのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.0
衣装美術のよさは言うまでもなく、不穏さと神聖さが混じったような音楽もよかった。R18 おとなのための童話。

話にはいろんな示唆と皮肉が込められてる。
それらをシフォンのたっぷりパフスリーブで包み隠して、ふわっと綺麗な一言でまとめると「女の子の冒険と成長」。

動物としての生、人間としての生。
肉体の死、精神の死。

体の快楽の次のステップ、知の快楽を刺激されて人間らしくなってきた主人公ベラの、旅の途中でできた友人たちが素敵。

湯婆婆みたいな人もいい味出してる。

下心100%で近づいて、振り回されて勝手に自滅する男、面白かわいくて怖い。「女は感情的でヒステリック」の偏見に対する皮肉にも見える。彼女が知を求めて読む本を投げ捨てて、「お前の愛らしい喋り方が失われていく」とほざく様にはゾッとした。
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