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哀れなるものたちのDNArhapsodyのネタバレレビュー・内容・結末

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

エマ・ストーンの怪演と独創的な演出により、登場人物たちの不思議な振る舞いや対話、そして独特な美術や音楽が組み合わさり、鬼才ヨルゴス・ランティモ監督の特有の奇妙で不可思議な世界観を存分に味わえる作品。

主人公のベラは、天才外科医ゴッドの手により蘇った。自殺した妊婦の母親の体に、胎児の脳が移植されている、見た目は大人だけど、中身は赤ちゃん。

皿を割ったり、死体を八つ裂きにしたり、カエルを殺したり…、子どもっておもしろそうって興味本位でとても残酷なことをするよね。だって赤ちゃんなのだから仕方ない。無邪気に遊んでいるだけ。

そんなベラが、閉じ込められた世界から、外へ飛び出し、冒険をする。吐いてしまうほど、想像以上に世界は広かった。そして、いつの間にか命を大事にする価値観が生まれて、涙を流す。きっと、ゴッドから愛をもらって育ったからだと思う。そして、セックスに溺れ、娼婦として、働いて稼ぎ、生きることを知る。

娼婦であったことが嫌ではないかとベラの問いに、"君の身体は、君自身のものだ"と応える婚約者マックスの言葉でハッっとした。

どうするかは自分自身で主体的に決めるものであり、誰かに都合よく決められるものでも、コントロールされるものでもない。

ベラは、やりたいことはやる、嫌なことは嫌!と、誰しもができそうでできないことを、好奇心の赴くままに、とことん突き進んでいき、革命家のようだった。

落とし所が、将軍なの?
支配と暴力に塗れたクズではあったが…
ダンカンにもっとスポット浴びせたげてー!ってなってしまった。

んー、美しいけど、気持ち悪かった。
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