マルケス

哀れなるものたちのマルケスのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
3.0
ランティモス監督作『籠の中の乙女』を想起させるストーリー。
完全な世界である“家”に閉じ込めたいゴッドと父親、父親が主導する息子の女性経験、自我の目覚め、ヘンテコダンスまで、あちこちに共通する世界線が見える。

『籠の中の乙女』では長女は車のトランクから出なかったが、ベラは外の世界へ踏み出して行く。セルフリメイク、もしくはその後を描いた続編にも思えた。

本来のエグい作家性をファンタジーでくるみ、とっつき易い作品に仕上げたバランス感覚はお見事。衣装や美術も楽しめた。
ただ、ランティモス監督が描くベラはやっぱり男性視点だよね。熱烈ジャンプ多すぎ、内面の成長描写が粗すぎ。

前作から気になってたランティモスの犬歯、無事だったw「こいつヤバイ…」って思わせる尖ったオリジナル脚本でまた撮ってほしい。
マルケス

マルケス