目にも楽しいし演技も思わず見惚れる部分もあり、聞いていて小気味良い会話もあり総合的に良かった。
フェミニズムの話と捉えると大雑把すぎると思う。
私はちょうど、やりたいことをやる勇気を蓄えている時期なのでとても勇気をもらえたし肯定的にとらえることも多々あった。
でも、これはどうなの？と突っ込みたくなる、排除された女性という存在の輪郭が鮮烈に浮かんできたのも惜しかった。
・ベラの美しさ故に成り立つことが多かった。ベラが西洋的な美の基準にもし達していなかったらゴッドは愛情を注いだ？金持ちは連れ回した？ファックする男はいた？
・ベラはお金に頓着なく過ごせるが、それは特権では？
・お漏らしさえしてしまうベラの体に生理は起きないの？
・hoeになるのはご自由に。売春が悪いことだと思わないのも良いと思うけど、あれほど都合よく売春の世界を利用できるのは当たり前ではないと思う。男たちから怯えるほど怖いことをされたりアナルをむりやりしばかれたり、自分の快感以外のことも経験するはず。この世で実際に同職をしていて想像もできない苦労を重ねる女性たちが排除されていて悲しかった
・あれだけやっておいて、母性が欠如していて、妊娠の不安はゼロ？
・なんで親はゴッド（男性）だけなの？母親にフォーカスがいかないのはなんで
細かいところはたーくさんモヤモヤ気になることあったけど、たぶんそういった現代ならではの生きる上での問題は度外視して、おっきなルーペで人生を見ることをお手本してくれたのかなと思うようにした。
ちなみに
セックスを楽しむベラはとても良いと思った！だってマスターベーション、ひいてはセックスって気持ち良いよね。気持ちの良いことを追求するのは悪いことじゃなくてむしろ勇気のいること。一度セックスを知ってしまったら、猿のようにセックスまみれの日々になった人はこの世にいくらでもいるんじゃない？セックスについて女性が積極的で、実験的で、喜んでいる事実を封じ込める社会であってほしくない。もちろん話したくない人は話さなくて良いけど。だからこの映画を見て、なんて破廉恥な女だ!とか、売女とか罵る人の気がしれない
淑女なんてものはまやかしだ
私自身は性生活や、どんなプレイが好きか、どんなことをしてみたいか、話したりするのに抵抗はないけど、世間一般では女性が性生活を大っぴらに話すのはタブーってなっていて、そんなのfuck it と思ってる。TPOもあるかもしれないけど私は船の貴婦人やその連れボーイたちと同じでモラルに縛られる世界なんてクソだと思うから、TPOなんてものがなくてもいいんじゃないかと思う。
そういう気持ちの良い社会概念の破壊の瞬間があったのはとても良かった
