ひろぱげ

哀れなるものたちのひろぱげのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.4
好き好き大好き!全てにおいて素晴らしい。

自殺した女性を拾ってきてとんでもない手術で蘇生させ、自宅で飼育、観察する継ぎはぎ顔の天才外科医(ブラック・ジャックかよ!)。ベラと名づけられたその女性は、赤ん坊のような精神をどんどん成長させていき、やがて外の世界へ出てみたいと言い始める。(ピノコかよ!)
そしてある人物が彼女を外科医の家から連れだし、海を越え、旅に出るのであった。

ベラの成長物語でもあるし、女性の生き方の(フェミニズム的な)お話でもある。
とにかく型にはまらない(はまるワケが無い)ベラの言動が痛快。そんな彼女の社会的成長とともに、周りの男たちも変化していく様が見事だった。(特にベラを連れだした男、マーク・ラファロ演じるダンカンとかね)

外科医(ウィレム・デフォーが怪演。あの口から出してる風船みたいなのは一体何だろうね?ゲップの具現化?)の家に閉じ込められている間はモノクロ(時折魚眼レンズのような歪んだ画面)だったりした映像が、外に出た途端カラーになる表現もニクイし、衣装も美術もどれも素敵。しかしなんといってもベラの精神状態とピッタリマッチした音楽が最高!

ベラになりきったエマ・ストーン、素晴らしいね。成長するにつれて「目」が変わっていく!

ラストの爽快感(絶望感?)も大好き。

ランティモス監督と主演のエマ・ストーン、ウィレム・デフォーは、次作「Kind of Kindness」でも組んでいるそうなので、楽しみだ。
ひろぱげ

ひろぱげ