かずみん

哀れなるものたちのかずみんのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.1
 身体は大人頭脳は子供!

 しまったこれ、知的障害者家族にはつらいヤツ。外出を制限され怒るベラに、問題行動を始めた頃の身内を重ねてしまいました。こちら見ながらゆっくり物壊すの、されたわよ…。 

とはいえヒロインの状態は障害でなく幼いだけ。
『胎児の脳を死にたての母体頭蓋に移植』
した実験体であるベラは急速に成長(アルジャーノンみ)、騙しやすい女体から賢く意見のある女になり…望んで娼婦になり。
 貞淑の概念を知らないから、誘惑したダンカンについてきたのにね。いざ他の男と関係すれば嫉妬に狂う、ダンカンたら狭量。貴方の方が( SEXが)良かったとさえ言ってるのにさ。
そして女性器割礼をさせてベラに…というか別の名前だったベラの身体に、貞淑と従順を取り戻させようとする元夫もまた狭量。

 …哀れなるものは女と思わせて始まったものの、実は本当に哀れなのは女を閉じ込め支配せずにはいられない狭量な男たちってことなのでしょうか。山羊におなり!
 全ての始まりは、博士の父が幼い頃から博士を非道な実験の被験者にし続けたことなので…博士だけは本当に可哀想。

 ところで友人はこの映画を旦那さんと見に行こうとしてたそうで、生真面目な人だから止めたけど。よく考えたら普段からかなり支配的と聞く旦那さんの反応が知りたかったかも笑
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