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哀れなるものたちのfumingのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
3.4
オーバーテクノロジーの不思議な近世で繰り広げられる不思議でシュールな物語。
幼年期はSFチックで、どこかテイムバートンやダークなウェスアンダーソン的な世界観。少女期は「嫌われ松子の一生」のようなダークコメディ、青年期は社会性を帯びる人間ドラマだろうか。何も知らず、振る舞いも知らず、思い思いの行動を取るしか無かった赤ん坊のベラが旅と人と社会との交わりによって大人になっていく様が興味深い。やがて親友もできた。その辺りはダーティなフォレストガンプ的な物語とも言えるかもしれない。体当たりな演技を数々やってのけたエマストーンはもはや名優だろう。
退廃的で下劣なのにどこか無垢で、なぜか高尚さを覚えて、人間讃歌を感じる妙な温かみのある作品。
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