やま

哀れなるものたちのやまのネタバレレビュー・内容・結末

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

みんな哀れだけど自分は違うと思っている観客のレビューが気持ち悪い

それはそれとしてめちゃくちゃ面白かった!
前評判を見ずに出演俳優で鑑賞しに行ったけど後悔はしない作品だった。

ベラの成長をこんなにも追えると思っていなかったのもあって、ストーリーに没頭できた。

いろんな国のSF風景表現と幕間の映像が生成系味が強く作られてたのは流行りに乗っかってるのかな?とか邪推してしまったが、世界観的にもベラの精神年齢的にもちょうど良かったと思う。

ストーリーと設定に関して吟味するのは鑑賞する以上の方法はないので割愛するけど、特に気になるシーンに関して1つだけ書くとすると将軍の頭にヤギの脳みそを入れた最後のシーンが気になった。
足の手術をした後にヤギのカットが入ってゴッドが死ぬまでは「なんだ、ただの仕返しとギャグシーンかよ」としか思えなかったが、その後、庭で葉を食んでいる将軍を見ているベラたちの構図が映されると、ギャグシーンから一転して一気に"力を持つ側の人"になったベラたちのフェミニズム的な暴力性を感じてしまった。
作中で何度も描かれている通りベラは社会主義なはずなのに、男性性に勝って屈服させた経験を得てそれと同時に自分の中に強さを持ってしまったということを「Poor Things」と言ってまとめたという認識なのかな?と思った。
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