ガリガリ亭カリカリ

哀れなるものたちのガリガリ亭カリカリのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.8
サントラ聴きながら作業していたら、普通にラストの曲がエモすぎて泣いた。

よく考えたらエヴァで庵野がやっていた「男が抱く女への都合の良い幻想」、「男メソメソメンヘラ吐露」、「女に支配される恐れ/されたい願望」みたいなのを実写で上手くやっていたと思った。

「アタイが踊りたいように踊る!」「男の相手として踊ればいいんだよォ!」「イヤじゃい!」なダンスシーンが演出も芝居もメッセージも何もかも良くて強い。ダンスが生まれる瞬間をちゃんと撮ってる感。マーク・ラファロがどうしてもペアダンスに持って行きたくてエマ・ストーンと格闘しているのが滑稽である。

ベラが娼館でお客さんと「あなたは子どもの話をして、わたしはジョークを言うね」と会話するシーンで、ついに人と初めて「交流」をすることができたという喜びで、ベラが心の底から嬉しそうに笑っているところで泣いた……。