Harukiii

哀れなるものたちのHarukiiiのネタバレレビュー・内容・結末

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

これは本当に驚いた。ここ5年で観た映画の中でも一番衝撃を受けた映画。
これまで映画で見たことがなかったような魚眼レンズのような撮り方、調律の狂ったピアノのような音楽、当たり前のようにいるけどキメラのようにつぎはぎにされたペット、名前は実在する街なのにどこか違う街、ただただ不安にさせるための演出ではなく、一瞬一瞬が絵画のように美しい映画だった。

成人女性の体に胎児の脳を移植されたエマストーンがさまざまな体験をして成長していく物語。何より驚いたのはエマストーンの演技の凄さ。
ララランドの時は王道女優のような感じだったのに、話題になった濡れ場のシーンやまだ脳が発達していない時の子供のような演技など、こんな守備範囲の広い女優なのかと驚いた。
ベラが成長していく中で立ち現れる人物は欲にまみれた人間もいれば、物事の本質を見通しベラに助言をくれる人物もいたりとそのどれもが魅力的。

本作に込められたテーマ、奇作と呼ばれた所以を考えずとも映像と音楽だけでも十二分に楽しめる映画。
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