柚凪

哀れなるものたちの柚凪のレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
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この映画を一言で表すならそれは「カオス(混沌)」だと思う。
悲劇、喜劇、ホラー、ミステリーなど数多く存在する映像ジャンルのどれにも当てはまられない作品であり、「面白かった」の薄っぺらい一言では収まらない初めての映像体験をしたような気がする。まるでアトラクションに乗っているような感覚。
他の演者の演技も総じて素晴らしいのは言わずもがなであるが、エマ・ストーンはその中でも圧倒的であった。
屋敷に閉じ込めれ世界を知らず過ごしていたベラが、世界の残酷さに打ちひしがられながらも知性を身に付け「大人」の女性になっていく成長過程にとても感動させられた。音楽、演者、俳優、街並み、世界観、衣装、どこを切り取っても素敵であり、溜息が出そうになるほど美しい作品であったな。
洋画に今まであまり触れてこなかったため、恥ずかしいことにヨルゴスランティモス監督のことも無知であったが、この機会を通して過去の作品も観てみようと思う。
柚凪

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