どいすけ

哀れなるものたちのどいすけのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.2
成人女性の遺体に赤子の脳を移植するというなんとも悪趣味な設定で始まる今作ですが、これが不思議と見やすくて、これまで見てきたヨルゴス作品「ロブスター」「聖なる鹿殺し」よりも好みでした。
大人の立場に立った子どもの視点での経験がベラの成長を加速させていて、意外にも実生活に還元できるような気づきまで与えてくれるとは、エマ・ストーンのあんなシーンやこんなシーンを見ている最中には思ってもいなかった。成長を見守る鑑賞者としての自分を最終的に超えてくるような、人生の大先輩になったようなベラにはもう尊敬の眼差しを向けざるを得ないし、それを演じきったエマ・ストーン、この世界観をつくりだしたヨルゴス・ランティモス監督は本当に素晴らしい。一人の人間の成長譚として完璧ではないでしょうか。
あとやっぱりウィレム・デフォーほんとに好きです。愛くるしい。
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