いっしー

哀れなるものたちのいっしーのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
3.5
ようやく観ることができましたが、とにかく長い。これこそが映画という満足感を超える身体の疲れはとんでもないのでその点を覚悟してみてください。

幼児の脳を入れられた大人の女性ベラが、様々な世の中の欲望に晒されながら成長して行く人生を描く本作。
閉じ込められていた生活から自由になった瞬間に色を持ち出す世界の描写は素晴らしく、衣装や独特な世界観はとても綺麗。
強いメッセージ性やモロなR18描写など、これはこうかも知れない!という知ったかぶりな感想が出てしまいそうになりますが、それもこれも狙いなのかなと邪推。

振り回すつもりが振り回されて破滅する浮気者、清らかな心を傷つけたいと話す黒人の男性、言葉巧みに人を操ろうとする娼館の女性主人などの登場人物の俗物感も魅力の一つ。
終わってみると、一人も善人なんていなかったなと思いました。怖い怖い。

エマ・ストーン、ウィレム・デフォーの怪演がやはり最大の見どころではあるので一度ご覧になってみてください。
いっしー

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