栗林55

哀れなるものたちの栗林55のレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.0
【自由意志の大切さ有用さを訴えかけ、現状の社会を冷たく非難する、エマ・ストーン主演&プロデューサー作品】

+0.2 (エマ加点)

これでヨルゴス監督作品は3つ目やけど、個人的にこの監督は、メッセージ性が強すぎるわけでもなく、かといってエンタメ性がてんこ盛りってわけでもないね🤔
さらにそこにアート性が加わって、絶妙な正三角形を作ってるように感じる😁✨
間違いなく、現代の名映画監督のお一人です♪


エンタメ性としては…
ロードムービーで成長譚なストーリーは面白い❗️
ただ、ベラが意思を持ち出してからは割とすんなりで、ベラにとっての大きな障害物はなかった⁉︎🤔めちゃめちゃ衝撃の展開になるとかいうわけでもなく、設定を飲み込んだ後は割と普通??🤔
んー、ヨルゴス監督作品は今のところ、割とそんな印象なんよな〜
ラストに、あらま!って感じのカタルシスは用意されてたけどね😆✨

冷静になるとツッコミどころも多く思うけど、観てる時は全く気にならんし、気にするのはナンセンス☝️


アート面にもかなり力入ってる✨
血肉も大道具も音楽も✨

アムステルダムとか船のCG(VFX?)は、ちょこっと違和感🤏
多分、大道具小道具の美術面が際立ってたからそう思っただけやと思うけど😅

へんてこりんダンスは『女王陛下〜』と全く同じや😂
今回はカエルを。。。😱
残しのワンカットもやはり健在!
独特な180度魚眼レンズに、中央の円形カメラ

慢性的で特徴的な音楽は、ヨルゴスワールドへトリップさせる🎶
例のシーンの度に耳障りなノイズが響き渡るのは、圧倒させられたなぁ😳


そんで、
俳優の魅せ方が超一級すぎる✨
この監督のもとに集う俳優は今後もっと増えるんやろうな❣️

と〜〜にかくエマが体を張っていて、呆気に取られた😳😳
『女王陛下〜』でビックリリンしてたクリリンやけど、今回はショックリリンでお口あんぐりりん♡
モロ…
何度も…
俳優魂だ………
これは、エマがプロデューサー兼務やからこそできたことなんやろうね🥹

これね、変な見方をすればよ、噂を聞きつけてそのシーン目当てに来る"哀れなる男たち"もいる気がするの。でもそれって、それこそがプロデューサー エマ・ストーンの作戦で、アートとストーリーで覆いながら、男諸君に無意識のうちにフェミニズムを植え付けていることになるよね🧐真っ向勝負で足の引っ張り合いになるより、映画を利用した、こういうさりげない圧倒的な勝ち方って気持ち良いよな〰︎、なんて、個人的には思ってました‼︎😁

もちろんエマが主演女優賞を受賞したのはその部分だけじゃなく、
"自身は人造人間でなおかつ赤ちゃんの頭脳を持ち、ハイペースで教養を身につけていく"
っていう激ムズな役柄を難なくこなしているとこね🥹👏👏✨
感情表現が完全に憑依してた‼️


デフォーがまた良いのよ!
デフォーのキャラは相変わらずデフォーやったけど😁👍
受賞ならんかったかぁ〜☹️

デフォーに全く劣ることなく、ラファロも助演男優賞とって良いほどの演技よ⁉︎
登場時からラストにかけて、人格が完全に崩壊していくわけで、ま〜見事に哀れなのよ😉



⚠️メッセージ性はネタバレ避けた方がいいかな⁉︎👇












別に同監督の過去作を観とかんでも良い気はするけど、
『籠の中〜』、『女王陛下〜』と同じように"所有欲"がテーマになってるし、観といたらよりわかりやすい💡

ゴドゥイン、マッキャンドルス、ダンカン、ブレシントン…
彼らは、初めはベラを支配している(保護している)状態なんやけど、
成長したベラは彼らを上回り、
次第に彼らはベラを支配できなくなり、
ベラは次のステップへと進むという展開✨
ず〜〜っとベラは強かった‼️

自分の欲を満たすためだけやったはずなのに、次第に嫉妬心と焦りが剥き出しになるダンカンが、ベラに縋りつき心が崩壊していく様子は見てて痛快😏リベンジものやなしに、クソなヤツが勝手に落ちぶれていく様は見ていて笑えるもんやね🤭


ヨルゴス監督は女性が主役なのが多い!
(てか、僕が観てるのは全部そう)
フェミニズムを意識してるのは間違いないよね☝️

娼婦というのも、男性優位にせず、自分をしっかりもって働いているし、シンプルに、自立した女性像というのを示していたのでしょう。
この方法がどうこう、ってのは…
弱冠クリリン、わかりま気円斬!!


ベラの頭脳の進歩はハイペースやけど、納得の成長段階☺️
ピアノの鍵盤に足を乗っけちゃうとこから、
エクスタシーを感じ、
哲学を理解し、
差別を知り、
社会主義を学び、
そしてこれらを偏見なき目で見ていく。

でも、ベラは頭脳が赤ちゃんなので、色んな知識を吸収していっても、
理性よりも感性を軸にした言動が目立つ☝️✨

特に、ベラがスラムの子たちが死に絶えているのを見て号泣するシーンは印象的🥺純粋な感性には、差別がいかに酷いことなのかが痛感するはずなのよね。僕らが麻痺してるまたは、見て見ぬふりをしてるんやな…って強く思わされた😥

理想論と人は嘲笑うことも、
いや、理想論の何が悪い?むしろなぜ理想なのに叶わない?というね。


メッセージ性はめっちゃ共感できるものやったけど、
エンタメ性とアート性が混ぜるな危険やったのか、個人的には世間的ほどにはハマれんかった気もする🤔
けど、後々考えていくと、色んな気づきが出てきた作品でした✨
そして、エマには再度拍手を‼︎👏👏

「現実主義が身を守る」
栗林55

栗林55