Keito

哀れなるものたちのKeitoのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
3.9
子供の脳みそに取り替えられた1人の女性。

光と闇 そして彼女が知る新しい世界。

自由への道を描く女性。

第96回アカデミー作品賞を受賞した異色作。


言葉で表すのがとても難しい作品でした。簡単に人にはオススメできないけれど見た後には心が晴れやかな気持ちになるので不思議な気分。

自殺した女性が脳移植を経て新たに生まれ変わる設定だけど描かれているのは基本エログロ。

何かを新しく覚えることの楽しさや残酷な世界を徐々に知っていく過程の描かれ方など、1人の人間の成長物語として興味深かったです。

僕が印象に残った場面はベラがボートで恵まれない子供達を見て初めて涙を流すシーン。
なぜだか分からないけれど心を抉られるような衝動に急に襲われるベラの取り乱す感じがリアルで、エマ・ストーンの演技力に度肝を抜かれました!

その他にも美術や不気味な音楽の使い方など個性的な作風なので変わった映画が好きな方にオススメ!

映画情報

「女王陛下のお気に入り」のヨルゴス・ランティモス監督とエマ・ストーンが再びタッグを組み、スコットランドの作家アラスター・グレイの同名ゴシック小説を映画化。2023年・第80回ベネチア国際映画祭コンペティション部門で最高賞の金獅子賞を受賞した。

不幸な若い女性ベラは自ら命を絶つが、風変わりな天才外科医ゴッドウィン・バクスターによって自らの胎児の脳を移植され、奇跡的に蘇生する。「世界を自分の目で見たい」という強い欲望にかられた彼女は、放蕩者の弁護士ダンカンに誘われて大陸横断の旅に出る。大人の体を持ちながら新生児の目線で世界を見つめるベラは時代の偏見から解放され、平等や自由を知り、驚くべき成長を遂げていく。

プロデューサーも務めるストーンが純粋無垢で自由奔放な主人公ベラを熱演し、第96回アカデミー賞で自身2度目となる主演女優賞を受賞。天才外科医ゴッドウィンをウィレム・デフォー、弁護士ダンカンをマーク・ラファロが演じた。脚本は「女王陛下のお気に入り」「クルエラ」のトニー・マクナマラ。アカデミー賞では作品賞ほか計11部門にノミネートされ、ストーンの主演女優賞のほか、美術賞、衣装デザイン賞、メイクアップ&ヘアスタイリング賞の4部門を受賞した。
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