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哀れなるものたちのordinalのネタバレレビュー・内容・結末

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

冒険は危険で時に非道であるがヒトに知恵と教養を与え、冒険しない者は皆哀れである。しかし道徳的であり続けることは進歩であり、また哀れでもある。
動物的であった主人公が創造され、経験を通して性、救済、支配などあらゆる欲求を満たす幸福を覚える。ヒトを人にするもの、人間を人間たらしめるものは愛か知識か欲望か、、、
哀れな人生、正しい生き方とは何かを考えさせる問いやヒントが、映画特有の画面構図による示唆ではなく、なぜか言葉により明示されている。

クレジット背景に写される建築の"部分"で、あれやそれを彷彿とさせる徹底ぶりに微笑しながらも、140分ほぼ性交の演技で構成されPoor Thingsと題される映画をポップコーン片手に見入って評価し欲望を満たす我々の何と哀れなこと。
もしや、先に記したメッセージの明示、つまり本作における哲学的な言葉は、鑑賞者に考察や悟りを促すための、哀れなる世の中に対する逆説的な嘲笑なのだろうか?すると我々は監督の思う壺にまんまとハメラレている!?
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