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哀れなるものたちのmaccouqのネタバレレビュー・内容・結末

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

なかなか難しい映画だった
生命を実験の対象としてとらえてない父親みたいな外科医(彼自身も父親の実験対象だったのだけど)の傲慢さ。
彼に脳を移植されて改造された少女ベラ(中身は幼女)と結婚しようとする助手、若くてきれいで無垢な少女ベラを思い通りに扱いたいだけで駆け落ちした弁護士、全て男性優位で傲慢な考え。

使い捨ての道具としてしか見ていなかったベラがどんどん成長していき、翻弄される弁護士は愉快だったけど。
自我と自分で考えることを身に着けていくベラ、貧しい者たちの苦しみを知り、弁護士のお金を渡そうとするけど、クルーたちの懐に納められて彼らには届いていない、自己満足さ。
外科医が金持ちなのでベラ自身はお金には苦労していないのでいつでも帰ることができたのに自分は娼館で稼ぐベラはやはり他の娼婦たちよりは優位な立場にある。
ラスト、元夫から逃れ、でも医師を目指す倫理観から命を助けるのだけど、脳の移植手術(しかも山羊)してアルコールを手に満足そうに見ているベラ。
娼館にいた黒人女性を従えたベラ。
他の人を哀れと思う優位な思想があちこちにあって、しかし本当に哀れなのは誰なのかなと。
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