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哀れなるものたちのkamakurahのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
3.5
エマ・ストーンが2度目のオスカーを獲得した『哀れなるものたち』をDisney +で配信鑑賞。『聖なる鹿殺し』、『女王陛下のお気に入り』のヨルゴス・ランティモス監督らしい、と評してしまえばそれまでだが、ファンタジー・ポルノという印象の仕上がり。原作があって、古いゴシック小説のようだが、あらためて読むまでもないだろう。ネタバレになるが、自分自身の子の脳を移植された母たる主人公が、性的経験を重ねながら成長し、その肉体に追いつき自立心旺盛な女性として自我確立、覚醒して解剖医になるという展開が、終始いかにも作り物といった画面で描かれる。エマ・ストーンの主演女優賞のほか美術賞、衣装デザイン賞、メイクアップ&ヘアスタイリング賞いずれも納得て、見応えあり。エマ・ストーンがプロデューサーとしても加わっていることには驚いた。今年のカンヌにコンペティション参加している、本作で快演のウィレム・デフォーと同じ3人による『憐れみの3章』の公開が待ち遠しい。
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