のんたった

哀れなるものたちののんたったのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.9
久々にどハマり

エマという純真無垢な存在を通すからこそ浮き彫りになる人間の人間らしい感情や欲動、不平等で残酷な世界が際立って見えた

最初は自ら命を絶ったのにも関わらず、蘇らせられた女性(本質的に蘇ったのかはわからないが)が「哀れ」に思えたが、次第にエマを通して見た世界に暮らす人々が「哀れ」に思えてきた。しかし「哀れむ」といった行為は自分がその対象よりも上だと認識しなければ起こり得ない感情なので、各々に幸せがあってそれを一個人の物差しで優劣をつけてしまう自分も「哀れ」まれるべき対象になるのかとも思った。結局誰も「哀れ」ではないのかもしれない。

街並みや小道具、衣装から音楽まで全部好みだった

あの覗いているようなカットは何なんだ、