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哀れなるものたちのhiroyokoのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.2
圧倒された。観終わって最初に浮かんだ。
映画って、総合芸術だと言わしめる作品。
この監督が持つ強烈な世界観。色彩は印象派、建築モチーフはアールデコ、世界観はメトロポリスと、様々な芸術様式を、映画というフォーマットに落とし込んで、性と知識という相反するヒトの本性を描いてる。凄まじい物語。美術、衣装が、痺れるくらいイイ。
演出は、映画的な面白さを意図して、しっかり楽しませる。出奔してから色彩の豊かさは、まるでゴッホの絵画のような鮮やかさ。ダンスシーンも、現代的な解釈と主人公の無垢さがリンクする。コレぞ映画でないと出来ない愉悦。
役者もイイ。エマストーン、これはアカデミー獲るわな。幼き無垢さから理知的になる過程を、身体を投げ出して演じてる。驚きは、マークラファロの上手さ。古き良きだらし無い男をユーモラスに演じてる。この手の50年代的な役柄、もっと演じて欲しい。この人主演でギャング映画とか観たいわ〜。そして、安定した良さのデフォー、もういう事なし。
ラストもしっかり物語を完結させる手腕。映画を堪能させてもらいました。
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