これを見てからとにかくずっと胸が苦しい。とにかくエマストーンの演技が凄まじかった。
幻想的で童話のように美しい衣装と舞台美術と対照的に根底に流れるテーマ（性、生、主体性、自由）は極めてリアリズムでその不一致さにより、テーマが際立っていた気がする。誰が「哀れなるもの」なのか。人間全てな気がするな。
ベラの純粋無垢さと残酷な世界の現実、世界を知りながら成長していくなかで自分の主体性を獲得する姿や、自分の性的衝動を隠さない姿は、現代女性の理想像のひとつなのかなと思いました。性的衝動は男性のものとされがちで性的に女性が搾取される傾向のある世の中で、女性に性の主体性があることを掲げたこの作品は貴重だなと。
ただラストについては功罪について考えさせられました。負の連鎖なのか、主体性の防衛なのか、主体性の略奪なのか。
