すずめのちゅん

哀れなるものたちのすずめのちゅんのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.2
ここまでするかってくらい生々しい。
間違いなくこれは『欲望』の映画で、理性の象徴である知識欲と本能の象徴である性欲が恐ろしいくらいの黄金比で配分されている。
それらを取り込み成長するベラを演じきるエマ・ストーンの説得力がとてつもなく恐ろしい。

初期は弦楽だけだったが今ではあらゆる楽器を用いて音の暴力を奮うヨルゴス・ランティモス。
内容がすでに、またそもそもエロシーンはなにもせずともショッキングだからか、映像技法による暴力は前作より控えめ。
珍しくラストは(単純ではないし異論があるのは承知だが)ハッピーエンド。