vivo

哀れなるものたちのvivoのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
5.0
迸るセンスに彩られた壮大な大人の御伽噺。教訓があるとすれば、変わり続ける意志と行動力の大切さだろうか。しかし、何を伝えたいのかなど全く気にならないほど魅力が詰まった映画だった。テンポよく新しい刺激が訪れる物語運び、クラシックとSFが融合した景色、人間以外の生き物の目線を感じさせるアングルや映像処理、そして何よりそれぞれに魅力的なキャラクターたち。常に変わり続ける主人公を、どの段階においても魅力的に演じるエマ・ストーンは素晴らしかったし、そんな主人公に翻弄される男を情けなくも愛らしく演じるマーク・ラファロも良かった。この2人のキャラクターの変化がもたらす終盤の展開は痛快。エンドロールまで見たことがないパターンのものだったし、そのBGMのセンスも抜群。とにかくヨルゴス・ランティモス監督の才能に圧倒された。
vivo

vivo