このレビューはネタバレを含みます
上映中から注目していたものの、重いと聞いて億劫になりアカデミー賞受賞後の視聴。
期待感が高すぎたのか、見た後の正直な感想は変なもの見たな。という感じ。
作品としてはストーリーをはじめいくらでも駄作になり得たが、主演のエマストーン の怪演により全てが昇華されていた。
私はフェミニズム的な観点を持ち合わせていないので、この映画を正当に評価することは難しいかも知れないが、唯一読み取れた事があるとすれば、体を売る女性に対するエールというか、価値観の向上だろうか。
主人公は成長した暁に男性からの蔑視など社会的な判断を無視して合理的な考えに基づいて体を売り出す。そこにはただ現実的な考えがあるのみで、良くある登場人物の罪悪感だとか後悔とかは一切感じられない上、積極的に風俗システムの改善まで提案する。まして、彼女は外に出る際はきちんとした身なりで大学の講義にまで顔を出し、教育を受けようという意欲まで発揮する。それまで旅を共にしていた男が汚い身なりになっていることも相まって、一見したところどちらが社会的に立派に見えるかは一目瞭然となる。
要するに、社会的な価値観は抜きにして、教育を受けていない若い女性が稼ぐ手段として売春が1番効率がいいよね。といっているように感じられたし、主人公が実際にそのように行動して売春が必要なくなればすぱっと切り替えた。
ただ、これを描くことによって何をどうしたかったのかがいまいち分からない。同じように過去、現在でも売春をしたいる人にとっては励ましになったりするのだろうか。
