ぎょんぬ

哀れなるものたちのぎょんぬのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.0


劇場で見られてよかった~~。

私自身の傾向として映画を見ると感情が陽(幸!嬉!楽!)に傾く場合と陰(熟考、落ち込みetc)に傾く場合があるのですが、哀れなるものたちはちょうどニュートラルに落ち着いた。


あまり前情報を入れずに見たら想定以上のフェミニズム映画でそれは嬉しい驚きだったな。

エマ・ストーン、本当に演技が上手くてあまりにも成長が自然なのでストーリーやその他のディテールに集中しすぎるとグラデーションに気づけない気すらする。


正直前半戦はなんだこの理性のない人々は…………とややげんなりしてしまったけど、それが後半への布石になるのでやっぱり劇場に来てよかった。

中盤希望が砕けても絶望と真実だけは残るというニュアンスのセリフを受けた直後、なぜダンカンと一緒にいるんだと尋ねられたベラが関係は良くなる気がするから。と思い切り希望で返していてこれが監督が信じたいものなのかもなぁと。
(人間が本来持つ善良さや根拠なしで希望ある結果を信じる面って意味で)

結局関係は破綻してましたが。

売春婦は己のできることで金を稼いでおり、女は男の領土では無いし、どこでどのように生きるかを選びとることが出来る。

強いメッセージとどこかおとぎ話のようなコンパクトさを感じさせるセットが絶妙なバランスでミックスされている作品。
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