正直、主演を玉城ティナを抜擢した人の勝利。
2023年現在最先端の花形、インフルエンサーという仕事に焦点を当てた本作。ファッションから料理、あらゆる広告塔となるほどの人気インフルエンサーが失墜する姿を悪夢的なテイストで描く。公式の宣伝文句だと「ノワール」のジャンルになるとか。
こういう現代を風刺したような作品は演じる役者というか、制作者がどの役者を配役するか？という問題がよりシビアに判定されそうなところ。特に「人気インフルエンサー」なんて、下手な選び方をすれば、それこそ見るに耐えない作品になっていただろう。そこを今回玉城ティナは充分魅力的に演じてくれている。失礼を承知でいうが可愛いという魅力と、現実感がないような不気味な感じを併せ持った女優。それが合致しすぎているような気がしてならなかった。
また、ミトヤマネ自身がもう手の届かないフィールドでネットミームからの炎上という現代の不思議を、悪夢的、風刺的に描いてるのは楽しい。最近某アメリカ作品で炎上騒動があったが、意外とリンクしている気がした。
