ぶみ

#ミトヤマネのぶみのレビュー・感想・評価

#ミトヤマネ(2023年製作の映画)
1.0
世界がみんなミトになる。

宮崎大祐監督、脚本、玉城ティナ主演によるファンタジー。
カリスマ・インフルエンサーが、ディープ・フェイクアプリとコラボしたことから巻き起こる騒動を描く。
主人公となるインフルエンサー・山根ミトを玉城、ミトの妹・ミホを湯川ひな、ミトのマネージャーを稲葉友が演じているほか、片岡礼子、安達祐実、筒井真理子等が登場。
物語は、大人気インフルエンサーがアプリとコラボしたことから、世界中にミトの顔が拡散することとなり、様々な出来事が起こる様が描かれるのだが、これは、何とも形容し難い残念な内容。
そもそも、絶大な人気を誇るとされるミトなのだが、これと言って何かしてるわけでもなく、カリスマ性が伝わってこないのを筆頭に、出演陣がおしなべて台詞を読まされてる感があるし、かと言って、特徴的な映像があることもなく、さも訳あり気なシーンが挿入されるものの、何も回収しないという体たらくぶり。
そう言った、行間を読ませるような作風の作品は数多あれど、観る側に行間を読ませて、それぞれの頭の中に考えさせるには、本編自体に魅力があってからこそなのだが、肝心の本編がメリハリもなく、古臭い演出や、いつの時代なのかさっぱりわからない設定等々、正直なところ観ているのが辛くなってくるレベルでは、何か考える気も起こらない。
反面、前述のように、台詞読んでいる感が半端ないキャストが多い中、先日観た荻上直子監督『波紋』同様、一軒家で暮らす女性を演じた筒井の確かな演技が唯一の救いか。
SNS社会の光と闇を描きたかったのかもしれないが、少なくとも光は全く感じられず、作品自体が闇に陥ってしまっており、監督の頭の中に浮かんだものを、そのまま映像化しているとしか考えられない作風は、もはや自己満足のファンタジーであり、玉城ファンだったとしても苦痛ではないかと思われるとともに、間違ってもオススメすることはできない残念すぎる一作。

私、もう耐えられない、こんなことの繰り返し。
ぶみ

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