ハル

#ミトヤマネのハルのレビュー・感想・評価

#ミトヤマネ(2023年製作の映画)
3.0
“ミトヤマネ”というインフルエンサーの日常を淡々と映し出していくストーリー。
虚構の世界の人物を演じる無機質な存在、生活感の見えないお人形さんのような玉城ティナは適役に思えた。

YouTubeやTikTok、インスタにX(Twitter)など、ネットの中だけで生きる存在の希薄さと生きづらさは感じられたけど…
伝え方も描き方も力不足。
芝居へのアプローチ含め、敢えてやっているのは理解できる。
ただ、B級作品っぽく見えてしまうまで安っぽく映すのはやはりマイナスかな。
どの層に訴求している作品なのかいまいち見えてこないので、それも良くない気がした。

SNS全盛の時代をテーマにしているだけあって、ディープランニングや再生回数、コラボをしてイメージの払拭など“如何にも”なお話、キャッチーなワードが散りばめられており、そうした部分はいいとしても、虚構の世界が崩れていく時の悲壮感や切実な空気感をもっと出してほしいところ。

ラストのオチは…世界だけではなくミトヤマネ、ミホとミトの関係性も虚構だったということなのかな?
匂わして悟らせる感じのタイプの作品にしては、細部の作りに粗が目立つため、70分強の上映時間なのが救い。
ただ、一応書き足しておくと 世間の評価ほどつまらないとも思えなかったので、フラッと立ち寄り、構えず見る分には悪くないかも。
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