【ラストクリスマス／音楽の力④】
※Netflix作品
友人との思い出もあって満点。
僕の友人にワムのことが大好きな女性がいた。
地下鉄の駅で電車を待っている時に、一度間違って僕が「ワオがさぁ…」と言ったら、信じられないという表情で結構怒られた。
彼女は帰国子女で海外の音楽にとても詳しかったが、ワムについては、日本人がアイドルを好きなような感じで応援していたように思う。
彼女とは結構仲が良くて、お互いがロンドンに勉強や仕事で赴任していた時に、それぞれがロンドンに出張すれば一緒にご飯に出掛けてたし、日本でも仲間とスキーによく行っていた。
でも、彼女は海外の赴任先でガンが見つかり、帰国して手術、一度仕事に復帰したが、再発して亡くなってしまった。若かったので進行が早かったと言われた。
だから、ワムに関するあれやこれやを目にするたびに思い出すし、今でも辛くなることもある。
この作品は、ライブエイドの場面などもあって、これまで何回かレビューで書いた音楽の力も感じるが、もうひとつ、個人的な支えとしての音楽の力も感じるように思える。
僕たち受け手にとっては、好きな音楽を聴くことは日々の支えになることは多いと思う。
だが、ワムにとっても、たとえ仕事であっても、個人的な支えだったのだと思う。
ゲイであることや、それぞれのエゴなど自分の嫌なところに向き合う時もだ。
音楽の力とはささやかなところから、世界的な大きなところまで隅々に届くのだと思う。
2016年、ジョージ・マイケルが亡くなった。
心筋梗塞などの合併症による自然死とのことだった。
12月25日のことだ。
ラスト・クリスマスになってしまった。
僕の友人が亡くなったのは、もっと前のことだったが、この時も彼女のことを考えたことも思い出した。
僕の友人との思い出や、いろんな意味を込めて満点。
