なんと、美しいシチリアの風景!!
予告編からすごく魅力的な作品だと思っていました。
80年代のシチリアが舞台です。60年代のイタリアでの同性愛を扱った『蟻の王』よりは軟化していたもののそれでもカトリックバチカンのお膝元で同性愛はタブーであることには変わりないです。
日本人にはあまりピンと来ないのですが、カトリックにおいて同性愛は罪です。家族といえど劇中の取り調べシーンや、母親の狼狽をみればわかるでしょう。それがシチリアであれば尚の事。
シチリアサマーでは本当に美しい風景と純粋な少年たちの恋愛が描かれています。
とくにポスタービジュアルにもあるジャンニがニーノを見る眼差しが恋をしているというのが伝わります。好きな人が楽しそうに話している姿って愛おしくて見つめてしまうもんですよね。
破壊するのは世の中であり、彼らの場合は家族です。でも、家族も決して悪人でないのですよ。いや、どうなのかな。実際の事件の犯人像を考えるとどうなんだろう。
どちらにしろ許されない事であるという社会的価値観に殺されたことは間違いなく、それが悲しすぎる。
LGBTQだとか多様性だとかの声が大きくなっている世の中ですが、それがが良いことなのか悪いことなのかわからないですがこんな悲しい事がもう起きない社会が作られるといいなと思います。