Hacchi

シチリア・サマーのHacchiのネタバレレビュー・内容・結末

シチリア・サマー(2022年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

「人を好きになるのに、理由が要りますか?」
「人を好きになることの何がそんなに罪ですか?」

と、問いたい。

自分の理解できないことだから抑圧するという、傲慢な行為が許されていた時代。

「なんてひどい!!」と、この作品を「観たくて観た人」は思うだろう。

しかし、
それ以外の人の中にはもしかしたら、彼らの関係を抑圧し、分断した大衆のように偏見の目や好奇の目で、この物語を捉えるかもしれない。

彼らは、誰かに迷惑をかけただろうか。
彼らは、他人の幸せを妨げただろうか。

ただ、お互いの人間性に惹かれただけ。
ただ、性別が男だった。

それだけのこと。

気がついたら気になっていた。
気がついたら好きになっていた。

抱きしめたい、触れ合いたい。
同じ時間や幸せを共有したい。

それは、異性愛者も良く知っている感覚のはずなのに。

自分との価値観のわずかな違いで、根こそぎ無かったことにする。


彼らが幸せになってはいけない理由を教えて欲しい。心から。




作品の構成は、出来事の断片をそれぞれ繋げたようで作品としてのまとまりを感じにくかった。
そして、ニーノの心理描写がジャンニに比べるとあまりにも薄かったので、2人の距離感を把握するのが難しく、ジャンニが異様に距離を詰めているだけに映るような気もして何だか悔しかった。

これは考察に過ぎないが、ニーノどこかでジャンニに対して強く惹かれた瞬間ぎあったはずだから、そうなるまでの経緯を知りたかった。
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