＠シネマ・ジャックアンドベティ
新聞で存在を知ってからずっと観たかったのですが、なかなかタイミングが合わず…わざわざ割引も無い休日の午前から遠くのミニシアターに赴き、なんとかギリギリ鑑賞する事が出来ました(ホッ)ジャックアンドベティさんは初めてでしたが昭和感満載の映画館で、上映のラインナップがかなり私好みなので好きでした。横浜の黄金町はだいぶ久しぶりでしたが、だいぶ変わったような、基本的には変わっていないような…あまり朝訪れた事はなかったので、かなり新鮮な感じでは有りましたが
肝心の作品自体は、わざわざ見に来た甲斐が有りました！少し前に同じイタリア映画の「弟は僕のヒーロー」を観ましたが、個人的には本作の方が良かったと思います。これがわずか40年前の実話というのは結構衝撃的ですが、イタリアに住んだ事がある身としては非常に良くわかります。イタリア人と言うのは日本人がイメージしてる感じの人種そのままでは無く保守的ですし、差別という意味では結構激しい国なので。シチリア方言丸出しで、イタリア語が出来てもかなり聞き取りが難しかったですが、情景も含めてシチリアをそのまま感じられて良かったです。それもそのはず。監督は「シチリア・シチリア」で主演を務めていたシチリア出身のフィオレッロさんだったのですね。そりゃーこれだけ表現できるはずです。本作に出てきたトトとかアルフレッドは、トルナトーレ監督の「ニュー・シネマパラダイス」へのオマージュなのでしょうか？非常に繋がりを感じました。
シチリア・シチリアも観ましたが全然違う映画ですが、本作の方が面白かったです。しかし両作品に共通して思うのが、邦題のダサさ。と言うか合ってなさ。原題と全然違いますし、英語とイタリア語も混じってしまっています。(英語ならシシリーサマーでしょう...)せめて「シチリアの夏」とか、原題直訳の「愛の奇妙」とかの方が良い気がしましたが。花火や恋もかけるなら「燃えさかるナンチャラ」とか...ま、それは置いときまして。とにかく主演2人の演技が素晴らしかったです。2人とも新人さんのようですが、後で調べたらまだ19歳らしいサムエーレ・セグレートとか、すでに色気も有ってカッコ良いし将来は人気出るのでは？と思いました。その他を固める役者さんも素晴らしかったと思います。シチリアの“オメルタ”=沈黙の掟の世界観を見事に作り出していたと思います。暗黙の了解で、俺たちファミリーのしきたりから外れてるヤツは消せ、みたいな。まさにゴッドファーザーですねー
本作はテーマは重いながらも、すごく観やすくキレイな形で描いている。シチリアに絶景もだいぶそれに貢献しているでしょう。しかし1982年と言われても違和感が無い風景を、現代のシチリアで普通に撮れると言うのは素晴らしいですね。イタリアが優勝した1982年ワールドカップがチョイチョイ出てくるのが良かったと思います。人々が🇮🇹🏆優勝で歓喜に沸いている中、2人で正々堂々と逆に向かってバイクで走っていくシーンが非常に印象に残りました。
そして最後の銃声2発の終わり方
切なく悲しい...
