クリーム

シチリア・サマーのクリームのレビュー・感想・評価

シチリア・サマー(2022年製作の映画)
4.0
シチリアの美しいロケーションと主演の2人が瑞々しさとは裏腹なストーリーにハラハラしながら観ました。映画は実話の「ジャッレ事件」を元に制作されていて、シチリア島ならではの考え方や島民性が見え隠れするのが個人的には興味深かったです。ただの甘い恋愛じゃないのも好みでした。

1982年夏、シチリア島の田舎町、主人公は花火屋の跡取り16歳のニーノと、ゲイの少年ジャンニ。ジャンニは揶揄われ、苛められる日々を送り、母の内縁の夫フランコの整備工場で働いています。顧客にバイクを届ける様に言われ、その途中で、ニーノの運転するバイクと接触事故を起こします。ニーノは彼を助け、自分の名前と住所をジャンニに渡し立ち去り、気になったジャンニは後日、彼を訪れるのでした。



ネタバレ↓



2人は友達になり、ニーノの叔父の石切り場で働き始めますが、日雇い労働者の列の中にいたバルのいじめっ子を見て逃げ出してしまいます。
その頃、花火師の父の喘息が悪化した為、現場に1人で行く事になったニーノは、父に頼みジャンニを連れて行く事にします。祭で花火をあげ、大盛況。しかし、2人のラブラブな様子が町の人に目撃され、ニーノの母に密告され、ジャンニの母からも電話で息子はゲイだと言われます。悲観する母、激怒する父と親族、ニーノは一族から責められ、ジャンニがゲイだったとは知らなかった。自分は潔白だと嘘をつきます。そして、もう会うなとほぼ軟禁状態に。
ジャンニは、ニーノの親戚の男の手下に寄って、殴る蹴るの暴行を受けた。
イタリアは1982年のサッカーのW杯で優勝し、町中が大騒ぎの最中、ニーノは家を飛び出し、ジャンニの家へ。 止める母の頬にキスをして階段を下りるジャンニ。 ニーノの後ろに飛び乗り、2人は秘密の場所で愛を確かめ合います。
暗転し、2発の銃声が鳴り響くのでした。

当時のシチリアは、家父長制で父の意見は絶対。昔は「名誉殺人」という習慣もあったらしく、マフィアのボス達にシチリア出身者が多いのも頷ける。島全体が保守的なカトリック信者ばかりで、同性愛はタブーだった。ニーノの優しい母が嫌悪感をあらわにしていたのは、皆が同性愛を悪と信じていたからだろう。時代や場所が違えば、幸せになれたのかは、解らないけど、殺される必要は無かったハズ。ニーノが美しく可愛かったなあ♡

*のんchan、ありがとう♪︎
クリーム

クリーム