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シチリア・サマーのleylaのレビュー・感想・評価

シチリア・サマー(2022年製作の映画)
3.9
完全な男社会で閉鎖的なシチリアだからこそ起きてしまった未解決事件をベースにした作品。ゲイに対するシチリアの差別や偏見は根深い。地元では犯人はわかっているけど、皆が口をつぐむ。そこもシチリア気質。マフィアの島。

一見『君の名前で僕を呼んで』や『Summer of 85』を思わせる美男子2人のキラキラしたBLモノのようだけど、実はけっこう救いがない。

17歳のジャンニと16歳のニーノが出会い、惹かれ合っていく。不幸な境遇のジャンニにとってはニーノといる時間は幸せそうで、いつ幸せが崩れるのかヒヤヒヤしながら観た。

悲劇ではあるけれど、シチリアの風景、夜空の花火や川で泳ぐシーン、バイクの二人乗りのシーンなど、みずみずしい空気感をつくるのがうまくて引き込まれます。花火師という設定も素敵だった。美しい2人を観ているだけで満足感のある作品でした。永遠の愛だからこそ人々の心に刻まれるのでしょう。
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