きねぼっち

ラ・ブームのきねぼっちのネタバレレビュー・内容・結末

ラ・ブーム(1980年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

フランスと言えば「ラ・」!!!
ラ・マルセイエーズ、ラ・モット夫人、ラ・フランス、ラ・セーヌの星!
ビッグマックは? ル・ビッグマック! なんで「ル」なのかは謎!

で、「ラ・ブーム」もおフランスの話なので、13歳でカレシを作る。
エリック・ロメール映画だと15歳で大人と恋の駆け引きをしていたので、それくらい当然なのだろう。

とはいえ子供を心配する親は主人公を怒ったりするわけだが、おばあちゃんが主人公の味方になってくれるのが面白い。
しかもおばあちゃんは社交界に顔が広く、ヨーロッパを飛び回っている音楽家なので、ブルジョワの親より社会的地位は高い。
日本的に言えば、ちょっと違うが「コンピューターおばあちゃん」的な存在?
このおばあちゃんが非常にオシャレなわけだが、本作は全体的にカラフルでセンスいい格好をしている人ばかりで、おフランスの底力みたいなのが見える。

とはいえ、両親も子供のためにがんばっている。
特に父親は別にワイルドキャラでもないのに、娘の、そして嫁のためならためらいなく鉄拳をふるう!
そして周囲がカオスになる展開は非常に面白かった。

あと、帝人の女の子みたいなキャラもいた。
こういうおしゃまな女の子みたいなの、フランス映画でちょいちょい見かけるね。『木と市長と文化会館』(ロメール)でも出てたし。

にしても、本作は親子両方のストーリーを消化するために、早すぎるテンポで話が進むが、それがコメディのコツだと勝手に感得。
ハイテンポでやってもベタ(クリシェ)なら観客は理解できるから問題ない、というわけである。

ベタとはいっても、元さやに納まる親とは違って、子の結末は正反対になっているのが面白い。
子供のころに好きだの嫌いだの、恋だの愛だの騒いでみても、そんなのはつかのまの熱病にすぎんのだよ、お嬢ちゃん・・・というわけである。
おフランスの大人感が感じられる映画でした。
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