Lalka

秀子の応援団長のLalkaのレビュー・感想・評価

秀子の応援団長(1940年製作の映画)
3.7
ビクター、佐々木俊一の手腕を再認識。1曲でここまで引っ張れて、且つ飽きさせないとは。

高峰とハイカツの共演と言えば『ハナ子さん』を思い浮かべる。向こうが幾らか前衛的なミュージカルであるとするとこちらはベタなコメディの中に音楽を落とし込んだものと言えると思う。

千葉の演出は、この場合軽快と言うより鈍重だ。時代性が大きいだろうが多用される軽快でダンサブルなこの佐々木メロが登場しないシーンとの差は大きい。いや、「青春グラウンド」を使っているときでさえ、ラストの高峰の戸惑いを振り切り後楽園に到着するまでの異様な時間の感覚、急いていないようにすら見える移動のようなところもある(結末のためとも言えるが)。

しかし、投げたボールで切り替わる編集や、分業洗濯の迫力、繰り返される子どもたちの野球を車から見る小杉など精彩を加える要素も多々ある。小杉の阿諛追従っぷりなどのコミカルな要素も大きい。あと、ハイカツは本業であるウクレレでの歌唱シーンあり。
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