パーティーパーティーの毎日を楽しむ仲良し３人
結局、パーティーは怖いねという話なのか...

皆さん、良いお年を。

[]　80点

傑作。2023年カンヌ映画祭"ある視点"部門選出作品、グランプリ受賞作品。モリー・マニング・ウォーカー長編一作目。高校を卒業したばかりの仲良し三人組タラ、エム、スカイは夏休みにクレタ島にやって来る。直近の試験結果への不安、来る大学生活への不安、漠然とした将来への不安を抱える三人は、それらを忘れ去ろうとするがごとく、若者たちで溢れかえったプールやクラブで遊び回る。ホテルの隣室にいた年上のグループと知り合った三人は、それぞれ狙いの相手を定めながら交流を深めていたが、タラはそこで初体験を迎える。一人だけ処女だった彼女は他二人(主にスカイ)からイジられまくっていて、今回の旅の漠然とした目標として処女喪失を念頭に置いていたのかもしれないが、あまりパディとのセックスは望ましいものではなく、タラは新たな苦しみを抱えてしまう。そして映画は、取るに足りない瞬間から滑り落ちるように痛みと苦しみの瞬間へと変化していく。タラの変化を知ってか知らずか他二人の態度は全く変化しないことで攻撃性が増し、三人で泥酔して歩いていた夜道は素面ですら恐ろしくなり、爆音のクラブでも音楽が遠のいていく。実に恐ろしく見事な転調だ。また、性的同意の難しさも語られる。確かにYESとは言ったが、あの状況でYES以外に言えたのか。そして、一度は同意した相手との二回目は同意できないことだってある。そんな当たり前だが有耶無耶にされがちな部分をとても真摯にキチンと映像化している。短編『アンスピーカブル』もとても良かった。

• #2023ofOdessa
• #劇場鑑賞2023ofOdessa

モリー・マニング・ウォーカー監督の長編デビュー作。

16歳の親友タラ、エム、スカイは、高校卒業記念でハジケるため、ギリシャのクレタ島のパーティリゾートに到着。
3人の中で唯一のバージンであるタラ（愛称タズ）は、他の2人（特にすれたキャラのスカイ）からその事をからかわれており、この旅行でバージンを捨てるのかどうなのか的に揺れている。

夜通し飲んで踊ってプールで盛り上がってヘロヘロで朝方寝て・・の繰り返しで盛り上がる3人。
寝起きでバルコニーに出たタラは、隣のホテルのバルコニーにいたバジャー（アナグマ）というあだ名の男に声をかけられ、彼と仲間、いかにも遊び人のパディとトランス男性？のペイジの3人組と過ごすようになる。

なんとなくバジャーに惹かれてる様子のタラだが、彼女の身に起こることとは・・

短篇『アンスピーカブル（Good Thanks, You?）』同様、女性の辛い経験・微妙な心理状況のリアリティに心揺さぶられました。
監督の力量もキャスティングも素晴らしい。

カンヌ映画祭 ある視点部門: 最高賞
英国インディペンデント映画賞: Best Lead Performance（ミア・マケナ・ブルース）、Best Supporting Performance（Shaun Thomas）、Best Casting