ノラネコの呑んで観るシネマ

開拓者たちのノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

開拓者たち(2023年製作の映画)
4.3
東京国際映画祭。
20世紀初頭のチリ。
富豪の地主に雇われ、開拓の邪魔になる先住民を殺して回る三人の男たちのロードムービー。
いわばチリ版「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」で、実話ベースの真面目な話だが、なぜかディテールにマカロニっぽさがある。
三人の一人は先住民とのミックスで、最終章以外は、殺す側と殺される側、両方の立場を持つ彼に視点が置かれている。
南半球の荘厳な自然と、その懐の中で描かれるとんでもなく愚かでおぞましい人間の行いのコントラスト。
男たちの旅を描く終盤までは、当時起こった事象。
数年後を描く最終章は、歴史をどの角度で残すのか?というエピソード。
120年後の現在からかなり皮肉っぽく俯瞰しているのだが、未来から見たら我々も同じでは?という問いかけにもなってる。
ある人物の表情を映し出すラストカットが秀逸。