Arbuth

ブラインドネスのArbuthのレビュー・感想・評価

ブラインドネス(2008年製作の映画)
4.1
えっこれ伊勢谷友介だったの?全然気づかなかった。なんか日本語の演技があまり上手くなかったような…。

法と秩序の必要性が分かる映画。無政府状態だと万人の万人に対する戦いが起こり暴力装置を持つ者が弱い者を支配するんだよ、という展開をかなり長尺を使って説明してくれる。パンデミックそのものはあまり重要じゃないから深く説明もされない。
マーク・ラファロの情けなさにしてもそう。立派な道徳者も極限状況の中ではかくも脆く転がり落ちるということを教えてくれる。
パニックがもたらす人間の弱さに対して警鐘を鳴らす作品。
似たテーマの『パーフェクト・センス』よりもだいぶダークサイド。
地獄は収容所の中だけかと思ったら外の世界も荒廃し尽くしていて、絶望の追い打ちが凄まじい。

ただこんな状況にも人間性を失わなかった人達に、文字通り希望の光が差したラストは救いがあったので良かったです。

あと伊勢谷友介と木村佳乃演じる夫婦によって日本語で交わされるエピソードが印象的。日本人視聴者にとってはありがたい演出だった。
Arbuth

Arbuth