パンカ

憧れを超えた侍たち 世界一への記録のパンカのレビュー・感想・評価

5.0
エンドロールで「監督 栗山 英樹」と流れる。
一緒に観に行った娘が「(WBCの)野球の監督であると同時に、この映画・このストーリーの監督でもあるよね」と言っていた。
まさに!

栗山監督の日本ハム監督就任は、入れ替わりで大リーグに挑戦して抜けたダルビッシュの穴を埋めることを考えることから始まった。
栗山監督は、日ハム監督就任前の評論家時代から、ダルビッシュ有とは何度かのインタビューを通して心を通じ合わせていたようだ。
そのダルビッシュを栗山ジャパンに「三顧の礼」で迎え、投手陣の、いや、チームの精神的柱として据えた。

そして、言わずもがなの大谷翔平。
大リーグ指向だった高校生の大谷を、NPBを経験してからの大リーグ挑戦の方が大成する、というレポートを日本ハムのスタッフと作り上げ、早々にドラフト指名を諦めた他球団を尻目に栗山監督と日本ハムは大谷単独指名に成功。
殆どのプロ野球関係者が無謀と鼻で笑った二刀流を、栗山監督と大谷は貫き通し日本で成功を収める。チームは日本一にもなった。その後大谷翔平は初志貫徹して海を渡り、本場大リーグでも二刀流で大活躍中。
大谷抜きの栗山ジャパンはあり得ない。

栗山監督のWBC監督としての成功の種は、就任するずっと前から蒔かれていたかのようだ。
まるで野球と結婚したかのように、栗山監督は野球を愛している。そして恐らく、野球も栗山監督を愛している。
でなきゃ、こんなドラマが生まれるか?

青い目のサムライ、ヌートバーは攻守に渡り大活躍、ムードメーカーとしてもチームを盛り上げた。
骨折しながらも、源田選手は最後まで笑顔で戦い抜いた。
痛恨の失投でホームランを浴び、ベンチ裏で人知れず涙を流す佐々木投手。
「侍ジャパンを背負わせる」と大き過ぎる期待を背負いながら、不振が続きなかなか結果を残せなかった村上選手の、奇跡としか言えない準決勝のサヨナラヒット。
そして・・・大谷翔平。
予選から投打に大車輪の活躍。
大ピンチの準決勝9回裏、先頭打者としてヒットとヘルメットを飛ばしての全力疾走で村上のサヨナラを呼び込んだ。
決勝前のミーティングでは「憧れるのはやめましょう」という、彼にしか言えない名言でチームを鼓舞。
最後は「泥だらけのクローザー」として、普段は盟友、今大会では宿敵アメリカのラスボス、トラウトを三振に斬ってとる・・・

イチローや松坂らが大活躍した第1回、第2回のWBCももちろん感動したけど、今大会はホントに胸熱だった。
そして、例えば全く同じメンバーが参加して戦ったとしても、監督が栗山さんじゃなかったら、ここまでドラマティックにはならなかったような気がする・・・

栗山英樹は、三国志の劉備玄徳の生まれ変わりじゃなかろうか?
誰もが栗山監督の熱さに惹きつけられ、力になりたいと思う・・・
誰よりも選手を思い、チームを思う・・・

これだけの感動を、残りの人生で味わうことがあるだろうか?





・・・ん?
映画のレビューになってんのか、これ?😅





「どこ行った?俺のグローブ?🙁」
気にするなら最初から投げんな!🤭
パンカ

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