ハル

無情の世界のハルのレビュー・感想・評価

無情の世界(2023年製作の映画)
3.6
公開記念舞台挨拶にて。
短編3作のオムニバス形式作品。
事前情報全くなしの鑑賞だったが、思いの外楽しめた。
『アクターズショートフィルム』や『Mirrorliar Films Season』など、近年こうしたプロジェクトはレベルが高いよね。

こちらは“3作3様”。
キャストもテイストもばらばらなんだけど、どれもトリッキーな描き方をしていて、シリアス×コメディをかけあわせたようなスタイル。
予算規模が少ない中でアイディアや工夫をこらし、観客が楽しめるような配慮が伝わってきた。
どれも癖強めの味がある作品群、中でも僕のお勧めは第二部の『イミテーション・ヤクザ』
オーディションに来たヤクザ役の俳優が雑居ビルの階数を一つ間違えてしまうお話。
ガチなヤクザ部屋に乱入してしまう恐怖体験にシュールさを加味したドタバタ劇。
売れない役者の切実な思い…込み上げるものを感じられた。

正直、どれもめちゃくちゃ面白い!!とはならなかったけど…何気なく鑑賞してみたらどれか一本くらいハマる作品があるかも。
ネームバリューのある役者は唐田えりかくらいなので、その点ご留意を。

〜〜舞台挨拶〜〜
初めてのシネマカリテという事で、楽しみにしていたイベント。
紀伊国屋で小説を見繕っていたらすぐに時間となり、現地到着。
新宿武蔵野館のすぐ先に看板を見つけ、地下に続く階段の奥には素敵なエントランス。
階段も壁紙もお洒落な雰囲気。
ミニシアターの手作り感にプラスαしてスタイリッシュな雰囲気を漂わせるモダンな劇場だった。
また、近いうちにリピートしよう。

そして、本題の舞台挨拶。
鑑賞後、監督と演者がそれぞれ撮影秘話を語り尽くしてくれる一時。
余韻が一層深くなる感じ…舞台挨拶ならではの“LIVE感”に包まれる。
唐田えりか以外は存じ上げなかったが、キャスト一同、全身全霊の思いを込め、撮影をおこなっていたことがしみじみ伝わるエピソードばかり。
モノ作りに携わる方々の“本気”
熱い気持ち、刺激をもらえて感謝。

なお、規模の割にはマスコミの数がとても多かった。
事務所の先輩が広末涼子だから関連付けて報じたいメディアがあるんだろうな。
浮気の真相なんて当人同士しかわからないし、会見が本当かどうかなんてのも眉唾だと僕は思うタイプ。
もっと面白い話題で世を騒がせてほしいよね。
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