とらキチ

ガルギ 正義の女神のとらキチのレビュー・感想・評価

ガルギ 正義の女神(2022年製作の映画)
4.7
第5回インド大映画祭 ④
学校教師ガルギの父親が仕事中に遭遇した事件で逮捕されてしまう。その日からガルギの日常は一変し、父にかけられた恥ずべき容疑を晴らそうと東奔西走するのだが…
個人的には今回のインド大映画祭における“衝撃枠”な作品。
「ジャイ・ビーム」ほどの直接的な描写はないけれど、観ていてドンドン辛くシンドくなってしまう。主人公の周囲が八方塞がりな状況となってしまうストーリー展開の中で、唯一の希望というか、好感が持てたのが、主人公を助ける吃音の弁護士。ちょっと頼りない感じでヒヤヒヤさせられるが、シメるところはちゃんとシメて、主人公をサポートすることとなる。
最期の最後に、あんな“衝撃の事実”を伴って終わる事については、賛否両論だと思う。正直「あんな結末にしなくても…」と、個人的に衝撃的過ぎて、前日に続いて本日も鑑賞後モヤモヤしてしまった。ただ、その終盤までのプロット、ドラマ展開としては非常に優れたストーリーだったと思う。
一般的な“商業ベース”として考えたら、日本の大手配給会社では絶対配給されないような、インド社会の辛くてキツい側面をテーマとした作品。翻ってみてそのテーマは、我々日本社会にとっても決して対岸の火事とは言えない問題でもある。こんな作品に出会う事が出来るのも、この映画祭の存在意義だと思う。
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