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春画先生のKOZOのレビュー・感想・評価

春画先生(2023年製作の映画)
4.2
春画に魅せられた人たちの喜怒哀楽、大人のファンタジー。R-15。

観終わってまず思ったのが、「北香那が凄い!」ここで何回か書いてる、思い切りハマった昨年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」。三谷幸喜脚本らしく、脇役で少ない出演でも印象に残る人が多かった。
金子大地演じる源頼家の正室役、頼家同様悲しい最期を迎えるのだけど、印象深かった(今年の大河ドラマにも出てたようだけど全く観てない…)。
先日観た『アンダーカレント』の康すおんも鎌倉殿のときと全然印象が違ったのだけど、この北香那も。今作ではなかなかぶっ飛んでた。

その北香那はじめ、主演の内野聖陽、後半大活躍の妖しい安達祐実といった主要キャストがみんな大仰な演技なので好み分かれそう。
唯一飄々としてて『シン・仮面ライダー』を思い出した柄本佑は変態化した一文字隼人か。何でもやるなあ。鮮やかなグリーン…

ポスターにも書かれてる、春画は“笑い絵”と称されて江戸時代の人々が大っぴらには言えないけど、エロさだけでなくその滑稽さを秘かに楽しんでいたのかな。
松坂桃李の『娼年』や柄本佑の『火口のふたり』を観て思ったのはこうした性愛、エロをテーマにした作品って、人間の滑稽さや哀愁をいかに感じさせられるかで評価が変わってくるような。
内野聖陽演じる“先生”の性癖も弟子の柄本佑との連携プレー(いや、プレイ?)も滑稽なんだけど、本人たちは至って本気。
まあ『娼年』同様ちょっとやり過ぎな感も。特に後半。

テーマ全般合わない人には全く合わなさそう。でも個人的には春画へのリスペクトを含め大いにハマった。それぞれが持ち込んだ春画の品評会?客観的に見ると「何だこりゃ」なんだけど、奥が深くてハマる人の気持ちはわかる。
「性」を追究すると活き活きとした「生」に繋がるのね。
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