塩田明彦新作。とても面白い和製のセックスコメディになりそうなところを上滑りしていた印象。室内の撮影はとても良い。特にタクシー車内の色気は別格。北香那の身体性や安達祐実の魅惑など、女優陣が映える。バイセクシュアルのセックスマシーンの柄本佑は、とても不快な性格に見えて、どういうバランスのキャラクターとして作り手が映しているのかいまいち分からなかった。塩田明彦的なロマンスの主従関係には一貫性がありつつ、ブニュエルやロージーのような面白さを追求できた気もしてイマイチ食い足らない。音楽のセンスもどうにかしてほしい。