ぽかぽか

春画先生のぽかぽかのレビュー・感想・評価

春画先生(2023年製作の映画)
5.0
何の必然性も説明も前振りもなく唐突に地震が起こり、3人のカフェ店員女性の中からなんら特別な理由付けもなく北香那が選ばれ、名刺を受け取るまま何のドラマも過去も感情も行動に加担されることなく、映画という名の磁力に引き寄せられるかのように先生の元へ会いにゆく冒頭シークエンスの大胆不敵さ。街や自然の見事な撮影や、ここぞというところで流れ込んでくる電車、小津オマージュなど、三宅唱『ケイコ 目を澄ませて』をおもいだしながら感動。笠智衆なBARのシーンからあっという間に柄本佑が北香那を抱いてて、水色ブリーフパンツ一丁で出現したところ笑った。頭にスマホを取り付けて通話しながらセックスして、長らく女断ちしている先生に喘ぎ声を聞かせる滑稽さ。ラブホの回転ベッドもそうだし、ラストのSMも、春画がかつて笑い絵と呼ばれていたという話のように性=ユーモアの関係で描かれる。今年ベストの大傑作。
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