すし酢高跳び

春画先生のすし酢高跳びのレビュー・感想・評価

春画先生(2023年製作の映画)
3.6
シュールで純愛、どこか浮世離れしていて、可笑しくて愛おしい。登場人物、1人も常識人がおりません。

皆、変態で狂っている。

なのに品があって、嫌悪感ゼロ。
こんな映画が今までにあっただろうか。

喫茶店で働く弓子(北香那)は、お客の春画先生こと芳賀一郎(内野聖陽)に声をかけられ、戸惑いながらも春画の世界へ。

さて、春画とはなんぞや?という話ですが、かの有名な浮世絵画家、歌磨や北斎のみならず、江戸時代より更に昔から存在していた、主に性交の情景を描いた絵画のこと。
しかも私がゾクっとするのは、単なる男女が行う様だけでなく、男色や異生物と、もしくは異生物同士の交わりまで描かれていた事です。
これって物凄く先進的、先鋭的ですよ。すんばらしい!

あら?既に私も偏愛に片足突っ込んでます?
日本人はオタク気質ですからね。私もその気が十分にありますよ。

この芳賀一郎には7年前に先立たれた妻、伊都(安達祐実)がおりました。過去に嫉妬しても仕方ないし、死人に勝つ事は難しい。
頭でわかっていても、弓子は悔しくて、芳賀に「春画大全」を執筆させようとする編集者であり、弟子である辻村(柄本佑)と酔った勢いで夜を共にしてしまいます。

『先生!先生!!』
と絶頂に達し、朝起きたら空色のブーメランパンツ一丁(しかもTバックタイプ)の辻村が現れる。

ぎょえーーー!

しかも、その様子を音声でリアタイで先生が聞いていたって言うじゃあ〜りませんか。

ぎょえぎょえーーー!!

次どんな顔して会えばいいんだよ。
とか考えただけで、ちょっと奥の方がじゅんじゅわ〜とするわぃ(コラ)
とまぁ、声を聞きたいってリクエストする先生も大概ですが、わかりました、と答える辻村も中々です。
ちなみに北香那ちゃんのおっぱいは、イメージ通りの小さな良きおっぱいで最高でした。色も可愛かった。好き。

さて芳賀、前妻をこよなく愛していたが為に、女断ちをずっとしているという。それ故に、弓子に他の女性には無い何かを感じていながら、一線を越えられずにいたのです。
このジレンマの中、辻村との営みを相変わらず声だけ届ける。これは、プレイなのか?うん、プレイだな。

そんなある日、春画の品評会にお呼ばれして行く芳賀トリオ(芳賀・弓子・辻村)
その春画鑑賞ですが、まるでエロ漫画のト書きまでをおっさんが淡々と読み、回転寿司の如くその本は回り、目の前に来た本を皆が鑑賞する、というもの。この様ほどシュールな絵面はなかったなぁ。

と、そこでまさかの人に出会うのだったー!

ここからは、一気に弓子が正に【覚醒】していきます。いやぁ、私はカッコよくて清々しささえ感じました。私的にはアソコに行き着くのは必然にも感じましたしねぇ。はい〜。

一皮剥けた弓子。
先生を待ち望むのではなく、私を捕まえていなけりゃ、どこへ飛んでいくかわかりませんよ〜っの境地に至らしめた、あの夜。

是非、変態、じゃなく偏愛の世界。
皆さんも、足を踏み入れてご覧下さい。
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