CHEBUNBUN

(ノット)・ラスティング・フォーエバー:ダイヤモンドをめぐる不実な真実のCHEBUNBUNのレビュー・感想・評価

3.0
【ダイヤモンド界のゲームチェンジャー】
どの業界も変化を求められる一方で変化を嫌う傾向がある。ゲームの頂点に立ち、ルールを決めてきた者にとって突然ゲームチェンジャーが現れることは脅威に繋がる。なのでメディアを使って非難する。

Netflixにて配信されている本作は人工ダイヤモンドに関するドキュメンタリーだ。ダイヤモンドは高い。しかし、人工ダイヤモンドの登場で我々は100分の1ぐらいの価格でホンモノと区別がつきにくいダイヤモンドを手にすることができるようになった。ホンモノと区別がつきにくいということは、ホンモノの価値を下げてしまうことである。当然ながらダイヤモンド業界は激怒する。一方で、映画は社会的変化についても言及する。そもそもダイヤモンドはどういう役割だったのか?

子どもを産むことができない男性が女性に対して渡す契りのような役割を持っていたとのこと。かつては女性の地位は低かったが、社会の成熟と共に男女平等な社会が実現していく中で、ライフステージが多様化していったとのこと。つまり、ダイヤモンドが人生において必要になる可能性が下がっていったとのこと。若干、この視点は本筋から軸がずれてしまっているように感じたが、社会の変化により業界が焦る温度感は十分伝わった。

日本だとAIの登場によりイラストレーターがブチギレている話やコロナ禍でブライダル業界が壊滅的になってきている話に通じる内容である。
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