りり

バード・ボックス バルセロナのりりのネタバレレビュー・内容・結末

3.3

このレビューはネタバレを含みます

「バードボックス」の続編というか、同じ世界設定で舞台も登場人物も変えたバージョンの新作。場所はバルセロナで、吹き抜けのある螺旋階段のクラシカルなマンションなんかも出てきてヨーロッパ感あり。登場人物達の目的地となるお城やロープウェイも実在の場所なのかな?
 前作では結局正体がわからずもやもやした「あれ」については、今作でも結局よくわからない。ラストはまだ関連作が作られそうな雰囲気たっぷりだったので、正体については小出しにして引っ張ってるのかも。とはいえ前作で判明しない前提で見ることに慣れてるので今作ではさほどもやもやせず見れた。
あと前作で「あれ」の登場時は枯葉カサカサだけだったけど、今回は都市部ということもありガラス片やちょっとしたゴミなんかを宙に浮かせてマジカルな演出になっているという違いもあって楽しかった。

脚本は前作より胸くそ展開で(特に序盤)、監督コンビの別作品を以前見たことあるけど、まじで胸くそだったのでこういう作風なのかもと思ったり。でもラストは前作と一緒で苦労が報われる感じなので後味はよかった。
カトリックの国スペインらしく、キリスト教的価値観や思想がポイントになる感じも興味深かった。前作は「母性」というか「愛」や「慈しみ」がテーマだったと思うが、今作もそれは受け継がれていたように感じた。老夫婦が最後に顔が見たいと言ってお互いに目隠しを外すシーンは美しかった。
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