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アポカリプトのcamusonのレビュー・感想・評価

アポカリプト(2006年製作の映画)
4.6
話はすこぶるシンプルながら、前作「パッション」同様、執拗なまでの映像的リアリティの追求が凄まじく、真に迫ってくるものがあります。

林の中の村で生活する裸族の平和的な営み(とは言え、狩りに貢献した者が肉のいい部位をもらえ、ドンくさいヤツはキンタマを分け与えられて食わされてバカにされたり、長(おさ)までもが止めるどころか畳みかけるように加勢して、患部に直接塗るタイプのニセの精力剤をそいつにプレゼントし、チンチンヒリヒリで飛び上がってそこらを駆け回る姿を笑いものにしたりなど、弱肉強食で人間臭い営み)を捉えて始まります。

そして、ある夜、他部族からの急襲を受けることとなります。原始的だからこそ、鈍い痛みを伴うリアリティのある戦闘に、一気に引き込まれました。序盤からの狙い澄ました緩急が効いています。

村は丸ごと焼き払われ、多くは殺害され、残りは捕虜としてとらわれ、紐につながれ、監督員に叩かれながら目的地をめざす死の行進となります。

目的地に到着すると・・・
そこは、村の原始的な暮らしとは対照的な古代文明の地。
ピラミッドの頂上付近から何やら物が転がってくる奇っ怪な映像。
そして、彼らが捕まった目的がわかったときの驚き。

その後の逃亡劇も見応えありますが、
個人的にはここがクライマックスでした。
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