Hotさんぴん茶

名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊のHotさんぴん茶のネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

凝った演出の作品で楽しめた!
今回は、ミステリーとホラーの両方が楽しめて良かった。

ポアロで今回ほどガッツリ超常現象を扱った話ってあったかな?あまり記憶がない。

最後も解明しきれない現象が残ってる感じで。モヤっとした後味。でもこんな結末も意外で良い。

今回は冷静沈着・灰色の脳細胞。そんなポアロがおそらく毒のせい?で、いつもと多少違う動きになってるのが笑えた。

林檎ゲームの水に顔つけて齧ろうとしたり。ポアロって、割と潔癖なイメージあるし。髭がぐちゃぐちゃなるのも絶対嫌うイメージ。だから今回意外。これも毒のせい?

毒性のあるハチミツを傷に塗った元婚約者。スルーされてたけど、体の具合は大丈夫なのか??

途中の取り調べシーン。一人一人の顔が割とアップで語りが長め。これは少しテンポ悪いか?なんてことも途中思ったけど。

後から考えたら人物像に厚みが出て良かった。
一人ひとりを、ストーリー進行のコマで終わらせていない感じが好感が持てた。

欲を言えば、オペラ歌手の歌唱シーンや、シェフの元婚約者の料理をチラッと見てみたかったな。
より世界観に入り込めそうなので。

屋敷の主人の女性が若く見えて。亡くなった娘というのが結構大きかったので、少し困惑した。

ポアロの幻覚に出てきたのが子どものアリシアだったのはなぜなんだろう。何か意味があるのかな?

メガネの少年はかわいい子どもだけども、あまりにも冷静沈着すぎてびっくりした。この子役さん演技力あるな。登場人物の中で1番大人っぽいかも。
名探偵コナンへのリスペクト?(そんなわけないか。)

ミシェル・ヨーという俳優は最近話題な気がする。演技がどんなものか興味があったので。これも今回見てみようと思ったキッカケ。

ミシェル・ヨー演じる霊能者。かなりの迫力で気圧された。
椅子がグルグル回る仕組みが謎。回転椅子なのかな。怖いシーンだけど、シュール。

無国籍兄弟の姉が暴力すぎるのは笑った。でも生い立ちを考えたら笑えないかも…。

怪しい屋敷の地下に忍び込む展開が、冒険ぽくて面白かった。

また、ヴェニスの屋敷ならではの嵐で床が揺れる舞台が斬新。

船上と古い洋館の舞台が混じってる感じで面白い。
非日常的な空間にハラハラした。
時代感のある調度品の数々で、時代に没入できて良かった。

(人間の像が鐘を鳴らしたり。アダムとイブと蛇の時計のインパクト。うさぎのババの人形はなんであんな細長いのか?かわいいような怖いような。色々印象的な物が多かった。)

ラストは引退間際だったはずのポワロが、活気付いたのが愉快で後味が良かった。青空のヴェニスの街並みも爽やか。

10月に向けハロウィンの季節感を味わえた。今の季節にぴったりのミステリかも。風格あるお屋敷の本格ミステリだった。

◾️その他補足

・今回は2dで見たけどimaxも良さそうだった。
観る前はミステリなのにimaxとは少し意外で。
ポアロにそんなアクション要素ある?と思っていたが。
実際見てみると、結構迫力のあるダイナミックなシーンがあり。ベネチアの風景もとても綺麗で。imaxで見るとどんな感じか興味ある。

・原作の小説は読んだことがなく、自分にとっての原作はデヴィッド・スーシェ氏のドラマ。全部のドラマ回は見てないが、結構たくさんの回を見ている。オリヴァ夫人も、こちらの作品での俳優が馴染み深いかも。(こちらのオリヴァ夫人は、結構貫禄のある年配女性だったはず。)

・ケネス・ブラナー版は考えたら初めて見るかも?最初はドラマ版の顔がチラつき慣れなかったが、見ているうちに慣れてきた。こっちの配役も、これはこれで良い。ポアロもオリヴァ夫人も気持ち若返った感じだが。でもやはり性格は通じるものがあるから。

・この映画の原作は、ハロウィンパーティーとのこと。でも自分は概ねストーリーを忘れている状態。こっちもまた、見てみたい。

・刑事役の人がヘレンミレンの『第一容疑者』に出てくるハスキンズ刑事に似てると思ったら。勘違いだった。『9人の翻訳家』に出てくるイタリア俳優の方だった。あの作品もなかなか見応えあるミステリだったな。
あとこの方主演のコメディ『明日のパスタはアルデンテ』も面白かった。